iPad miniとスマートフォンで始める電子書籍(レビュー記事)
端末購入から電子書籍デビューまで
昨年末に携帯をスマートフォン(ドコモ SH-01D)に変えてから幾つかのアプリによる電子書籍のサービスを検討し、第1巻無料サービスなども試してきましたが、どれもメインで使うには決め手に欠けるものばかりでした。しかし、最近になって7インチサイズタブレットの種類が充実し、10月末にAmazon.co.jpで電子書籍の黒船ともいうべき Kindleストアがオープンし、いよいよ私も電子書籍デビューする事にしました。
親には2階の床が落ちるからこれ以上本を増やすなと言われており、それは大げさにしても、2階の本の重みで1階の4枚引き襖の開閉がきつくなっているのは事実なので、何とかしないといけなかったのは事実です。
電子書籍端末の選択
まずは電子書籍端末の選択からスタート。候補は下記の小型サイズタブレット。
Kindle Paperwhite(¥7,980、2GB、213g、8週間持続)
Kindle Fire(¥12,800、8GB、400g、8.5時間持続)
Kindle Fire HD(¥15,800、16GB、395g、11時間持続)
Nexus7(¥19,800、16GB、340g、8時間持続)
iPad mini(¥28,800、16GB、308g、10時間持続)
予算に余裕が無く、初めての電子書籍という事もあり、一番安く軽くバッテリーの持続時間が長いKindle PaperwhiteをKindleストアオープン当日に予約注文。通信料は無料なものの、本体の安さを最優先したために3G版は選択肢から外しました。
同時にKindleアプリをスマートフォンにインストールし、使い勝手を試してみました。その結果、アプリの使い勝手が思ったより快適で、画面の小ささを除けば充分に楽しめる物でした。
同時に気になったのが、注文したKindle Paperwhiteの弱点であるモノクロ表示と2GBという容量の小ささ。たいていの本は本編はモノクロなので表紙や巻頭カラーイラストはアプリで楽しもうと考えていましたが、やぱり端末を切り替える事無くカラーを楽しみたいし、今後はカラーコミックを購入する可能性もあります。そしてコミックは文字のみの本に比べて容量が大きく、買った本はクラウドにバックアップしておけるとはいえKindle Paperwhiteではあまり多くの本を一度には入れておけません。
既に予約注文してしまったもののキャンセルして、予算をアップしてでも上級の機種を買った方が良いのか?
Kindle Paperwhiteの上級機種というと、Kindle FireとKindle Fire HD。でも本体価格がアップしても楽しめるのはAmazonで提供するコンテンツだけ。それならAndroidとして汎用性の高いNexus7がベストなのか? Androidアプリでの操作性の良さはスマートフォンでの試用で体験済み。
しかしメインのパソコンとしてMacBook Proを使う私にとって、以前から9.7インチiPadには興味があり、その機能を引き継いだ7.9インチiPad miniを選ぶにはベストタイミング! あまりの予算アップにずいぶん悩みましたが、結局Kindle Paperwhiteの予約注文をキャンセルし、アップルストアからiPad miniを予約注文しました。予約したのはiPad miniの予約開始の翌日。その時点で2週間待ちの状態でした。なんでも、予約開始から数時間で初回出荷分が埋まったとか。
iPad mini 届く!
約2週間後にとうとうiPad miniが届きました。以降は写真と共に解説します。
▲同時購入の純正Smart CoverとiBUFFALO製シェルケース
このシェルケースは純正カバーと同時に装着できます。なお、シェルケースに付属の液晶保護フィルムは気泡が入りやすかったため後日、高級な製品を買い足しました。
▲純正Smart Cover装着状態
カバー色の選択は本体色と同系統に統一しました。
▲上部と純正カバー取付部もカバー無し
発売前のモックアップからマイク位置が移動したらしく、中央に不要な穴が開いていた。
▲片側だけで持った方が持ちやすい
本体は308gだが純正カバーとシェルケースを装着すると415gまでアップする。ずっしり重く感じるので、長時間の使用は両手で持つ必要がある。重量を気にする人は純正カバーだけにした方が良い。
▲本体への傷や汚れ、落下を気にする人はシェルケースやシリコンケースなどの保護材は必須。透明タイプのシェルケースなので本体の質感やAppleマークを活かす事ができるが指紋がつきやすいのと重量が増加するのが欠点。
実本とKindleアプリの表示比較
iPad miniの設定が終了したら、早速App StoreからKindleアプリをインストール。Kindleアプリ自体は無料なので、スマートフォンにもインストールしました。
既に実本で購入済みの中から同じ本2冊をKindleで購入して、表示の比較テストをしてみました。テストに使ったのはライトノベルからは『織田信奈の野望』1巻、コミックからは『新世紀エヴァンゲリオン』13巻。
▲幾つか電子書籍を購入した後のリスト画面
購入した本が全て表示されてしまうので、将来はジャンル別や個人の自由区分で表示できるようにして欲しいですね。
なお、iOS版Kindleアプリ内では直接本を購入できず、ブラウザを起動するか、または他のパソコン・携帯端末等から購入する必要があります。面倒ですがiOSの課金制約の関係上しかたがないですね。
▲『織田信奈の野望』1巻表紙比較
実本(左)と画面表示(右)の比較
▲巻頭イラストの比較
イラストが画面サイズに対して小さいですが拡大表示はできます。
実本では文字入りですが画面表示では文字無し。他社では文字の有無は実本と同じなので、この仕様はGA文庫のみのようです。
▲背景色は黒にもできます
スマートフォンでの表示ではバッテリーが節約できるかもしれません。
▲実本(左)、iPad mini(中)、スマートフォン(右)の同ページ比較
▲iPad mini(左)、スマートフォン(右)の同ページ比較アップ
さすがに文字数の表示に大きく差が出るので、スマートフォンでは頻繁にページをめくる必要があります。
▲挿絵ページの比較
画面の拡大表示は冒頭カラーイラストと同じく可能。
▲『新世紀エヴァンゲリオン』13巻表紙比較
実本(左)、iPad mini(中)、スマートフォン(右)
※実本はプレミアム限定版の表紙イラストです
▲内部ページ比較
スマートフォンではフキダシの文字が小さくて読みづらいですが、iPad miniでは実本とほぼ同じ感覚で読む事ができます。
▲見開きページ(縦長表示)比較
縦長表示では見開きページの絵が左右に分断されるため、気になる場合は画面を横に持ちかえる必要があります。
▲見開きページ(横長表示)比較
横長表示では見開き全体が表示されるものの、実本に比べて表示は小さくなってしまいます。スマートフォンでは拡大しないとフキダシの文字を読むのは困難。
なお、複数の端末で同じ本の購読済みページが同期されるので、外出先での暇つぶしにスマートフォンで読み、帰宅してからiPad miniで続きのページから購読を再開するといった使い方もできます。好きな位置にブックマーク(シオリ)を設定する事も可能。
☆
総括
まだ電子書籍は始まったばかりなので、使い勝手の面でまだ十分ではない感じですね。電子書籍の黒船ともいうべきAmazonのKindleですが、機能の面では日本の他社サービスの方が充実していたり、あつかっている書籍の数も現時点では他社とあまり差がありません。一気に電子書籍に移行しようとしても、実本でしか買えない新刊もまだ多く、他社の電子書籍ストアでしか買えない本もあります。また、一部ですがiOSアプリに対応していない本もありますね。
Kindleの日本版サービスが始まる前に先行していた他社は、出版社やメーカーでバラバラにストアを立ち上げているので小ぶり感が強く、本命として選びづらい気がします。電子書籍は購入したストアが事業を撤退してしまうと、たとえ完全ダウンロード型であっても端末の買い換え時には移行できなくて終わりなので、できるだけ安心できるストアで購入したいものです。そういう意味では世界的に大手のAmazonのKindleには期待しています。足りない部分はeBookJapanなど他のサービスも併用したいと考えています。
私が考える電子書籍の理想的な仕様は、どのストアで購入しても好きな端末で全ての本を一括管理できる共通フォーマットの実現。購入した本は業者のサーバーに置いて管理し、端末へは必要に応じてダウンロードして読める(kindle式サービス)。購入した電子書籍の分類・管理のしやすさと、コレクション魂をくすぐる視覚的な本棚表示(kindleでは現時点で不足)。過渡期の現在については書店で実本を購入した作品を格安料金で電子書籍でも購入できるサービス。などなど……。
しかし最も重要なのは、紙の本が数十年たっても保存状態が良ければ読めるのと同様に、電子書籍も購入した作品については半永久的に読める仕様になる事です。少なくとも生きている間はたとえ文明が滅んだとしても読みたいなぁ。
☆
過去の類似記事
SONYでそろえる3Dテレビ&レコーダー環境(レビュー記事)
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関連サイト
アップル ☆ Amazon.co.jp ☆ Google Play ☆ eBookJapan
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